作曲家の中でショパンほど肖像画が多い人はいないのではないでしょうか?ちょっと調べただけでも25種類以上あります。
それだけ肖像画があっても、まだ解明していないショパンの身体的特徴があります。
それは、瞳の色です。
ブルー説とブラウン説があってどちらが真実なのか、いまだに解決していません。
唯一残されている写真は白黒なので、参考になりません。
カラーで描かれた肖像画のほとんどは、ショパンの瞳はブラウンで描かれています。
ショパンが学生時代に近所に住んでいた友人の証言では、ショパンの瞳の色は「ビール色」「ハシバミ色」と表現していて、いずれもブラウン系の色です。
ショパンがパリ時代によく会っていたフランツ・リストはショパンの瞳はブルーだったと述べています。
人種的にみると、ポーランド人には青や緑、灰色といった瞳が多いようです。また、フランス人の瞳の色の種類は、まるでクレヨンの色の数ほどあるそうで、フランス人のパスポートには、個人識別のために瞳の色も記載されているほどです。
ショパンは、ポーランド人の母とフランス人の父の混血ですから、遺伝的に考えても、瞳の色は何色でもありえることになりますね。
そんな中、一番参考になりそうな公的文書が残っています。
フランス警察発行のショパンのパスポートの写しです。
1837年7月7日、ショパンがイギリスに旅行に行く際に発行されたもので、番号3546と、ショパンの身体上の特徴が記入されています。
身体的特徴
年齢:26歳
身長:170cm
髪:ブロンド
額:ノーマル
まゆ毛:ブロンド
瞳:灰青色
鼻:ノーマル
口:ノーマル
ひげ:ブロンド
あご:丸型
顔:卵型肌:白色
これによると、瞳は「灰青色」となっています。
こうなると、公文書に書かれているブルー説が有力になりますね。