16歳のショパンの肖像

16歳のショパンの肖像エリザ・ジヴィウヴナ作。スケッチ。ファクシミリ。ワルシャワ博物館所蔵。

エリザ・ジヴィウヴナ  Eliza Radziwillownaは、アントニ・ラジヴィウ大公の上の娘です。

アントニ・ラジヴィウは、ポーランドの大公で、アマチュアながら玄人はだしの作曲家でもあり、チェロ奏者でもありました。

ヴィルノの領主の子に生まれ、ポーランド分割後の1815年ウィーン会議の結果、プロイセンに編入されたポズナン大公国の総督になりました。

ラジヴィウは著名な芸術のパトロンという面も持っていました。彼がベルリン、ポズナン、アントニンに所有していた宮殿では、ヨーロッパ各地から著名な音楽家たちが集まってくる国際的な音楽サロンでもありました。パガニーニ、ゲーテ、ベートーヴェンなどとともに、ショパンも客として迎えられています。

ベートーヴェンやメンデルスゾーンは自作曲を彼に献呈しています。ショパンも《ピアノ三重奏曲》Op.8をラジヴィウに献呈しています。
 

【ショパンとの関連】

*ショパンが1829年にラジヴィウ大公家に滞在した折、大公の二人の令嬢エリザとヴァンダの存在によりますます愉快なものになったことが、次のようなショパンの手紙から読みとれます。 「きわめて優しく上品、音楽的で心こまやかな(中略)二人のイヴ[楽園のアダムとイヴに擬す]がここにはいて、おかげで天国にいるようだ」

*エリザは音楽好きで、ショパンに対して《ポロネーズ ヘ短調》を弾いてくれるよう1日に何度も懇願しました。彼女はこの曲の変イ長調の〈トリオ〉が何よりお気に入りだったそうです。また、エリザはお気に召したこの曲の楽譜がほしいとせがみ、ショパンは親友のティトゥスに、一番早い郵便で送ってもらうように、念を入れて同じ手紙の中で二度も頼んでいます。

*エリザは絵も得意でショパンがラジヴィウ大公家に滞在中にショパンの肖像画を2枚描き残しています。この絵についてショパンは18291114日付ティトゥス宛の手紙で「僕も2度ほど画帳に登場させてもらったけど、人が言うにはなかなかどうして似ているらしい」と書いています。また、同じ手紙で「君は僕の肖像画を欲しがっていたね。もし、エリザ姫から1枚盗めたら君に送ろう」とも書いています。

「16歳のショパンの肖像」への2件のフィードバック

  1. 初めて、コメントさせていただきます!^_^
    この、サイトに偶々出会った私なのですが…(o^^o)
    正直…面白い!!です!(o^^o)
    更新されるのを楽しみにしています
    ★乃々果花

    1. コメントをいただき、ありがとうございます。現在多忙のため一時更新がストップしていますが、出来る限り早急に再開したいと思っています。引き続きよろしくお願い致します。

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